戸畑図書館 「左近絵巻構想展」

北九州生まれの詩人、

宗左近の詩と、

美術家・春野修二が

コラボした展覧会。

やはり東京大空襲で母が焼死し、

自分だけが生き残った慟哭を

綴った「炎える母」が胸を打つ。

一部だが転載。

  母よ

  あなたは

  炎の一本道の上

  つっぷして倒れている

  夏蜜柑のような顔を

  もちあげてくる

  枯れた夏蜜柑の枝ような右手を

  かざしてくる

  その右手をわたしへむかって

  押しだしてくる

  突きだしてくる

わたしよ

わたしは赤い鉄板の上で跳ねている

跳ねながらすでに

走っている

跳ねている走っている

走っている跳ねている

一本の炎の上

もちろん春野さんの作品も

詩に寄り添い支えている。

戸畑図書館はいつも、いい企画を魅せてくれるなぁ。

鉄の彫刻家、母里聖得さんの作った左近さんのモニュメント

『鐵偶』もぜひ見て欲しい。

展覧会は、6月29日(日)まで。