アマゾンプライム 「はりぼて」

こんな面白いドキュメンタリー、

なかなかない。

富山県の民放チューリップテレビ

(日本で一番小さなテレビ局)が、

富山市議会議員たちの不正を追った

ものだが、なんと半年で14人の議員が

政務活動費乱用で、辞職する。

絶対にやってない、と嘘をついた次の日に

ばれ、彼らを非難してた議員もやらかして、

次から次に子悪党たちが辞めていく。

そのさまが、凡庸なコメディでは勝てないほど

面白く、笑いを誘う。

しかしこの映画はそれだけでは終わらない。

報道の中心にいたキャスター(この作品の監督)は、

チューリップテレビに見切りをつけ、涙を流し辞める。

そこに何があったのかは、映画は語らないが、

おそらく「もうそろそろいいんじゃないのか」と

いう声が上層部から出たんだろう。

「数字も大して取れないし、すべきことは

他にもあるだろう」なんて、まぁ、僕の勝手な

想像だが、元放送作家としてはなんとなく

そう思う。

「はりぼて」とはいったい誰のことなのか、

そんなことを考えたら、笑い終わったあとに

少し苦みがこみあげてきた。