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「芸は一流、名は二流、
ギャラは三流、めぐまれない天才、
上岡龍太郎です」の名文句と
ともに思い出すのは、
2011年大阪の中村座だ。
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幸運にも一枚だけ奇跡的にチケットが
取れ、わくわくして向かったことを
今でも覚えてる。
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「夏祭浪花鑑」の勘九郎さんを堪能し帰ろうかと
思ったら、なんと夜のサプライズ公演とし、
立川談志師の落語もあるという。
これまたラッキーなことに夜の部も
チケットが買えた。
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家元が選んだのは「中村仲蔵」。並み居る
歌舞伎役者が観ている前でのこの演目。
ちなみに僕の斜め後ろには橋之助さん。
さすがだと思い観てたら、結構トチり、
「あーやっぱりカッコつけるとろくなことないな」
と途中で止め、違う話に(笑)。
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さらにゲストに来てた鶴瓶さんにも落語をやらせ、
しまいには客席にいた上岡龍太郎さんも呼び出し、
もちろん勘九郎さんも加わり豪華トークショー。
上岡さんはもう芸能界を引退した身だったが、
談志さんに言われて仕方なく。
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どの方のトークももちろん素晴らしかったが、
見事だったのは上岡さん。
勘九郎さんに向かって「あんたの芝居には文句がある。
……チケットが取れにくい」。
お客さんこれには大拍手。
さらにトークの途中で「あ、そろそろ私失礼します」
家元「なんで」、「地下鉄が最終でんねん」と言い残し、
さらりと消えた。
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めちゃくちゃかっこよかった。
享年81歳。
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「弱みを見せず格好つけて口先三寸……。
運と縁に恵まれて勝ち逃げできた幸せな
人生だったと思います」と息子さんに
言わせる凄さも含め、
文字通り天才でした。
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心よりご冥福をお祈りいたします。