50代以上は泣くね 「平場の月」

名作「花束のような恋をした」の

土井裕泰監督が、今度は中年の

恋を魅せてくれる。

(彼のデビュー作「いま、会いに

ゆきます」は、僕の秘かな名画)

原作も読んでいたので、

映画的に省いた部分も想像で

補ったこともあり、余計に感じ入った。

とにかく井川遥がいい。

疲れた感じ、強い物言い、時折見せる色っぽさ

彼女の代表作だと思う。

二人は50歳、中学の同級生、病院で再開した

ところから物語は始まる。

この関係がどんなものか、いい文章があるので

原作から引きます。

「話しておきたい相手としては、青砥(堺雅人)は

もってこいだ」

距離感といい、なんといい、と須藤(井川遥)は

言葉を濁したが、青砥には届いた。

(中略)

晩年感がふとよぎる歳で再会した「異性」は、十五歳の

面影は残しているものの、虹色の好意を友情と呼ぶほどには

熟れていた。

現在絶賛上映中です。映画館でぜひどうぞ。

僕は二回観ました(笑)。