「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
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「タクシードライバー」に衝撃を受けて
以来、マーティン・スコセッシ監督の
本作が彼の集大成じゃないかと思う。
今年観た映画の中で、今のところベスト1です。
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ネィティブアメリカンが掘り当てた石油利権、
オイルマネーを貪ろうとする鬼畜のような
白人たちの実話だが、激しい物語の
割には、淡々としかし濃い緊張感の中、
話は進んでいく。
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3時間半という上映時間は人によっては長いかも
しれないし、エンタメ感にも欠けるので
うーん、という方もいるかもしれない。
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でも僕はディカプリオの史上最低の
ダメ男ぶり、デニーロの笑顔と冷酷の
演技、ネィティブアメリカンたちの風習、
1920代のアメリカの風景、
そして何より、人間のどうしようもなさを
描きながらも、奥底に流れる「赦す」、という
愛を一瞬だけ魅せてくれた、哀しみに
胸を打たれました。
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いやーそれにしても、アメリカの黒歴史に
怒りをぶつけ、ネィティブアメリカンの人々に
多大なる敬意を払い、御年80歳にして
共同脚本を書き、これほどの映画を作るとは。
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マーティン・スコセッシ監督に、敬礼です。
エンドロールも美しいので、ぜひ最後まで
観てください。
僕もあと2回は映画館に行くつもりです。
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