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最初に脚本、プロデュースを
担当した映画「千年火」に
出演していただいたのが吉行さんだ。
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「素晴らしい脚本ありがとうございました」と
静かに頭を下げた女優さんは、透明感に溢れた
素敵な女性だった。
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僕が淳之介さんのファンであること、入院された
ときお手紙を書きたかったが、僕ごときがと断念した
ことを告げると、吉行さんはおっしゃった。
「あー、高坂さんみたいな方に書いて欲しかったわ。
兄はね、亡くなるちょっと前に、僕の小説なんて
みんな忘れるんだろうなっていってたの。
高坂さんのラブレター読んだら、とても喜んだと
思うわ」
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以来僕は、相手がどんな方でも感動したら、すぐに
お手紙を書くようにしている。
それがきっかけでお付き合いが始まった方もいる。
すべて、吉行和子さんのおかげだ。
合掌。
もう一度会いたかったなぁ。
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