NHK最後の講義 伊東豊雄

「建築ってなんだろう」とずっと自問自答しながら、数々の名建築を作ってきた82歳の巨匠の話に、心打たれました。

「この年になって自分の原風景がベースになってる建築作りをしたいなと思っている。それは人が安らぐ場所。人に力を与える建築。まぁ、さすがにそんなものが出来るかどうかはわかりませんけど」

とても丁寧に優しく柔らかく講義するお人柄と「建築の大学院を出てきた人はあまり役に立ちません。教授さんたちはなおさらね」と軽やかに毒づくユーモアが素敵でした。

なんといっても、日本の古い家屋を思いながら作った、岐阜の図書館の美しさに、拍手です。ここで本読みたいなぁ。

僕みたいにそう思う人が多く、25万人ほどの街に毎年100万人がここに訪れるそうです。

「これ以上は考えられないほど考え抜いて作ったものは、きっと人にも伝わるものです」

伊東さんの言の葉、しかと受け止めました。