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本人の赤裸々な淡々とした
聞き書きによる、覚せい剤に
僕が胸を打たれたのは、清原氏の
主治医となった専門医、松本俊彦氏の解説。
いま、日大の大麻問題が大騒ぎに
なってるだけに、余計に彼の言葉が光ります。
少し長くなりますが、引きますね。
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まず、人はなぜ、依存症になるのか。
覚せい剤となると一度に快感で溺れると
いうイメージを持つ人もいるが、松本さんは記す。
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初めて酒を飲んだとき、すぐに「おいしい」と
感じないように、薬物も同じ。
初体験は、「少し不快な感覚」、あるいは
「どこがいいのかわからない」が多い。
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ではなぜ依存症になるのか。
孤立している人、しんどい状況になる人が多い。
「依存症の本質は快感ではなく苦痛である。
そして薬物使用を学習する際の報酬は、
快感ではなく、苦痛の緩和である」
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改めて考えてみる。
なぜ薬物を使ってはいけないのか。
歴史的に見れば、「医薬品」として
扱われたときもあった。
しかし社会が変わり、1961年に
厳しい刑罰の対象となった。
松本氏はいう。
この厳罰政策が失敗だった。
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地下に潜ったため、薬物の生産量と消費量は
伸び、刑務所に入るものが増え新たな建設で
巨額の税金が使われる。
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彼はさらに言う。
有名人や著名人が薬物で逮捕されるたびに
マスコミは執拗に追いかける。
逮捕された著名人を護送するワンボックスカーは
後部座席のカーテンをわざわざ開け、
現代版「市中引き回しの刑」を演出する。
これは「私刑」である。
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そもそもこの見せしめは、彼らが犯した過ちに
見合ったものなのか。
大物政治家の汚職とか、大量殺人といったものなら
いざ知らず、たかだか、「人類の健康及び福祉に思いを
いたし」て規制された薬物の話だ。
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この一連の報道のダメージは著名人本人にとどまらず、
リハビリをしている患者も深く絶望し、治療意欲が
しぼむ。
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松本氏は最後にこう記す。
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「みなさんにお願いがあります。今後、著名人の
薬物報道に接したら、ぜひこうした背景や影響に
思いを馳せ、少なくともこの私刑には加担しない、
という選択をしてほしい」
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心に刻んでおきたい言葉です。
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