憧れのひと 「ショーケン 天才と狂気」

                       大下英治

萩原健一さんにオファーをしかけた

ことがある。

企画していた映画の主役に

お願いしようと思ったのだ。

けれどキャスティングの責任者から

「彼が出るのは自分は降りる。トラブルのは

目に見えてるので」と断られ、諦めた。

現場で突然切れる、自分の演技アイデアを

押し付ける、監督以上の演出を他の俳優たちに

行う、などそのときにもいろんな話を聞いたが、

この本を読んで、同じような場面がいくつも

出てくるので納得した。

ドラマ「傷だらけの天使」とLP「熱狂雷舞」が

今の僕の3割ぐらいを作っているので、

ショーケンは彼がどんな人であれ、憧れの

存在だ。

誰よりもナイーブで尊大で、小心で大胆で

綿密で杜撰で、無愛想で人たらしで、と

ありとあらゆる矛盾を抱えたスターは

僕にとって唯一無二。

でも読後つくづく思う。

企画した映画は頓挫してしまったので、

もしショーケンの出演が決まっていたら……。

あー、考えただけで足が震える。

1人、テキストの画像のようです

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