またまた本城雅人

「紙の城」

いやー、相変わらずの筆力、

ストーリー。

今回は、IT会社に新聞社が

乗っ取られようとし、記者魂を

かけて闘うというお話。

著者の元サンスポの記者時代のエピソードが

解説にあり、面白かったので

ひきます。

日本シリーズのとき、出られなかった野村

監督に取材に行き、二人で日本シリーズを

見ながら、悔しさが混じった本音を聞く。

本城曰く、「負けた瞬間、完璧に見えた人間が

衰えていく瞬間に、初めてその人の懐の深さが

表れる。そこでいきがっている人はダメ」

「負けた瞬間、自分のもとから人がさーと

引いていくのがわかると言うんですよね。

僕が自身が、そこで引く人間と見られたくないと

いう、ある種の美学みたいなものもありました。

本当は新しいものを常に捕まえるのが記者の

仕事なんでしょうけど」

著者の話を聞いて、彼の書く小説が面白いわけに

納得。素敵な作家です。

#本城雅人に外れなし