待ってました! 「つかこうへい正伝Ⅱ」

長谷川康夫

「初級革命講座 飛龍伝」を

初めて観たときの衝撃は

未だに覚えてる。

機動隊が元運動家に言う

「頼むからちゃんと挫折してくれ。

じゃないと、お前を弾圧した俺らが浮かばれない」の

セリフに、身体が震えた。

感動と一緒に笑いがこみ上げる、なんて

経験を初めて味わった。

本作はそんな僕にとって待望のパート2だ。

396ページ、読み進めるのが楽しくて

仕方なく、一気に半日で読了。

付箋でいっぱいになったが、ネタバレに

なるのも申し訳ないので、少しだけ引用。

つかこうへいとはどんな人だったのか。

風間杜夫は語る。

「なんせあの人は、どうすれば役者が輝いて

見えるかを見抜く天才だったからね。

僕らとしては、ただ、つかさんを気持ちよく

させて、いい芝居を作ってもらいたいだけ

なんだよな。

結局それが自分に返って来るわけだから」

そんなつかは、芝居について

「誰が誰をどう思ったか、どれだけ愛したか。

どれだけ憎んだか。そしてその両方だったか。

大事なのはそれだけ。芝居なんて、これさえ

あればいいんだ」

いやー、かっこいい。