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落語の話をしてて、
「文楽、志ん生に間に合ったおれは幸せだった」
とかいう人が苦手だった。
今の噺家のことが話したいのに、遠い目で昔を思う、なんてつまらない。
だからこの映画を「仁義なき戦い」と比べたくない。
139分全く飽きなかったし、バイオレンスも一作目をはるかにしのぐ激しさだし、今までのヤクザ映画にないぶっ飛んだ描写もあった。松坂桃李、鈴木亮平をはじめ、役者たちの演技も見事だった。
なのに、胸にまで響いてこない。
アウトローの哀しさがないのだ。
平成の時代の話なのに、まるで昭和30年代のキャラたちがいっぱいだし、だからやっぱり比べてしまう。
言いたくない、言いたくないのだけど、
「仁義なき戦いをリアルタイムで見た僕は幸せだったのかもしれない」
でも十分見ごたえのある作品なので、興味のある方はぜひ映画館でご覧ください。
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