ブロードアピール、死す

JRAの重賞を6勝したブロードアピールが死んだ。27歳だったという。

1200~1400mの短距離戦を得意としていた牝馬だった。
先行逃げ切りがセオリーとされる短距離戦にも関わらず極端な追い込み脚質で、最後の直線ですべての馬を一気に抜き去って、ゴール板を駆け抜ける。そんな馬だった。

その典型ともいえるレースが、2000年の根岸ステークス(GⅢ)。
これまで多くのレースを見てきたが、トウカイテイオーの勝った有馬記念(1993年)と並んで強く印象に残るレースだ。

第4コーナーで最後方にいても、最後には先頭でゴール板を通過する。
その個性的な戦いぶりを、当時(今もだが)まだ何も成し遂げていない自分に重ねて、胸が震えた。

初めて重賞を勝った(京都牝馬特別)も明け6歳の2月。牝馬であれば、引退してもおかしくない馬齢だ。そんな晩成型の馬だったことにも親近感が沸いた。

道中は後方でも、最後に勝てばいい。
年齢は関係ない。年を重ねても勝負できる。
そう言っているように思えて…。

00年根岸Sごぼう抜きブロードアピールが老衰で死す(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース