面白すぎる!

「人生は喜劇だ 

    知られざる作家の素顔」

           矢崎泰久

伝説の雑誌「話の特集」の編集長が

描き下ろした、一癖も二癖も

ある作家たちの交遊録。

「一切の偽善を排除して書き上げることができた。

すべて本音、建前なしである」と著者が

書いてある通り、すごい話のオンパレードだ。

五木寛之の変節、大江健三郎の欺瞞、林真理子の通俗、

瀬戸内寂聴の欲望、寺山修司の変態、松本清張の傲慢、

など作家というものがいかに面倒で、我儘で、

面白いかを、時には辛辣に時には慈愛を込めて

描いている。

著者は記している。

「人間は滑稽そのものである。(中略)有名人も

ただの庶民も、同じ人間に過ぎない。人さまざま、

人ちょぼちょぼ、人ぼちぼち。笑える存在に過ぎない。

それを明らかにしたい」

だからこのタイトルなのだ。

いやー、久しぶりに楽しい読書だった。

人間万歳!