面白すぎる!「平成猿蟹合戦図」 吉田修一

最近三冊ほど小説を読んだが、
今ひとつだった。
四冊目でやっと出会った。
さすが吉田修一。

ひき逃げ犯人を目撃した
歌舞伎町のバーデンダーが
国会議員を目指すという、
コメディ感満載の小説。
ゆるさとほのぼのさ、そして
なんとも可愛く愛しい登場人物たち
のおかげで楽しく、一気に読了。

この小説に流れる通奏低音は、
弱いものが報われるというテーマ。
こんな時代にとても届きにくい
主題だとは思うが、見事な文章力と
物語る力で、ぐいぐいと惹きつける。

読後感がとても気持ちのいい小説を
望んでる人には、ぜひおすすめだ。