文章を書くヒント①~書きなぐる

僕は、人さまに何かを教えたり、ためになる話をしたり、
小説など面白いコンテンツを提供することは(今のところ)できない。

それでも、ずっと仕事として続けてきた「文章を書くこと」に対して、
ヒント程度のものは提供できるのではないかと思い、
不定期連載「文章を書くヒント」を始めることにした。

文章の書き方、なんて本は、世の中に星のようにある。
人によって文章を書く方法論が違うのは百も承知だ。
それでも「これは使える」というものがあれば、
取り入れてもらえればと思う。

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「何から(何を)書けばよいか分からない」という人がたまにいる。
こうした悩みに対する僕の答えはシンプルだ。

思ったことを、何も考えずにタラタラと書いていく。

例えば、ある本の読書感想文を書くとする。
原稿用紙を、あるいはパソコンの画面を前にした今その時の気持ちを、
そのまま書けばいい。
「これまで読んだ本の中でベストスリーに入るほど、面白かった」
「つまらなかった」「自分には難しすぎた」
自分が思うことだから何でもいいし、正解はない。

そしたら次に、その感想(結論)に対する理由や補足を書いてみる。
「どこが面白かったのか」「過去に面白いと思った本との共通点」
「なぜ、つまらなかったのか」「どこが難しかったのか」

構成なんか考える必要はない。とにかく頭に浮かんだことを、
思いつくままに書きなぐる。

「結論」→「理由」が書けたら、
読書感想文に必要な要素は揃ったことになる。
(もの足りないと思う人は、最後に改めて「結論」を書いてもいい)

あとは、書きなぐったものを、整えていく作業をすればいい。
具体的には、不要箇所・重複箇所の削除、表現方法の見直し、改行、
リズム感の確認、漢字と仮名の使い分け、誤字脱字のチェックなどだ。
(個々については、また別の機会に)

ここに、しっかりと時間をかけないといけない。
〝書くのはサラッと、手直しはじっくり〟という感じだろうか。

さあ、早くも今日の結論だ。
とにかく、思ったこと書く
書きなぐった「思いや事実の羅列」を整理することで「文章」になる

僕はよく、文章を書くことを、彫刻家の仕事に例える。
彫刻家も最初は大まかな形をつくって、そこから細部に手を加えていく。
あのイメージだ。

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不定期企画だし、次があるのかも約束できないが、
とりあえず、今日はここまで。