30分のドライブ

仕事柄、自宅で原稿の執筆やチェックをすることが多い。
特にコロナ禍で、取材や会議がリモートになることも増え、ますます外出の機会が減っている。

基本的に室内で作業をすることは苦ではないが、さすがにそれが長く続くと気持ちが萎えてくる。
リモートワークで精神的に参っているビジネスパーソンも増えているとも聞くが、そうだろうと思う。
やはり外に出て日光を浴びることや、人と会って話をすることは精神衛生上もよい。

だから僕も、ずっと室内での仕事が続く時には、外に出るようにしている。
一つは飼い犬の散歩。他に行く人がいないからやむを得ない日課ではあるが、ほぼ毎日30~40分歩くことになり、いい運動になる。
散歩コースになっているのは、田んぼのあぜ道。ちょうど今の季節は、あちこちで田植えが始まっている。

もう一つが、30分程度のドライブ。
頭を空っぼにして、好きな音楽をかけながら、決まったコースを運転して帰ってくる。
気分転換になるし、場合によっては、ちょっとしたアイデアが浮かんでくることもある。
文章を考えるのに都合がよいのは「馬上・枕上・厠上」の三上(さんじょう*)と言われるが、この場合は馬上といったところか。

気分転換をうまくしながら、この重苦しいコロナ禍をやり過ごし、早く以前の日々に戻ることを切望している。

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*欧陽脩『帰田録』の「余、平生作る所の文章、多くは三上に在り。 乃(すなは)ち馬上・枕上(ちんじゃう)・厠上(しじゃう)なり」から